2010年2月8日月曜日

映画「モリエール 恋こそ喜劇」


「イギリスにはシェイクスピアが、フランスには喜劇の天才・モリエールがいた」。
主人公は22歳のモリエール。劇作家・俳優しかも劇団の主宰者。とは言いながら劇団は負債を抱え倒産寸前。仕方なく富豪商人の家で家庭教師に・・・
ドラマは「彼の伝記の中で空白とされる数カ月に何が起き、後の大成功を生みだしたのか」への答えを想定したフィクション。
全編にモリエールの名作を散りばめながら、恋する年上女性(富豪商人の妻)の助言で「希望する悲劇に代り、喜劇へ」進むまでを 華麗さと風刺を交えながら描き出している。

撮影はヴェルサイユ宮殿を始め、実在するシャトー等フランス各地で行われ、その見事さにも目を奪われる。
加えて素晴らしいのが衣装の数々。
17世紀といえば、太陽王ルイ14世の時代。
この王こそ、フランスを文化芸術・モードの中心とし世界に君臨させた人。建築・家具製造・手工芸等 多くの分野を隆盛へと導いた。
有名になったモリエールの劇団は1658年、国王公認劇団の称号を得、彼は執筆演出そして時には主演もし、多くの作品を残した。又、王の命に依りパリのパレロワイヤルにある「コメディー フランセ―ズ」が彼等の出演劇場として公認された。

こんな歴史も知ればこの映画の「フランス的」な楽しさ、面白さが更に大きく成る筈。又、何の予備知識無しでも楽しめるのがこの映画である。

2010年3月Bunkamuraル・シネマ他にて
全国順次ロードショー