2011年8月19日金曜日

開店ラッシュのファッション界 その1

 「アクリス」銀座和光別館に2フロアの路面店が

8月20日(土)。 銀座のど真ん中に美しい店を開いたのは スイスのクチュール ブランド「アクリス」。
アクリスは 素晴らしい素材とカラー、そして着易いエレガンス
と品格を備えながら 同時に若さ、カジュアルさや モダンな実質性も備えた 魅力的な服、バッグ等を作り続けて来たブランド。
 
 創立は1922年、 スイスのサンガレン。 

 現在のアーティスティック・ディレクター アルベルト・クリームラーは創始者の3代目。 しかも 非常に優れた独自の哲学と創造性を備えた人材です。

 昨年、彼はニューヨークのFGI(ファッショングループ インターナショナル)より賞を受けて居ます。
 ちなみに、かつて私もこの賞を受けましたが、毎年1回 或るテーマのもと、全米メンバーが選出する 名誉ある賞なのです。

 ところで、現在のアクリス社で 経営と生産部門を担当するのは弟のピーター・クリームラー。「家族の絆と温かさ」が作品からも感じられるのは 今と云う時代、特に嬉しい事です。

 先頃ご結婚された モナコ・アルベール公の シャルレーヌ公妃もアクリスのファン。 つい最近 彼女がお召しになった気品ある華やかさを見せるブーゲンビリア・ピンクのイヴニングドレスが、同色ホースヘヤーのクラッチバッグ、手袋と共に店内に飾られているのも 興味を引く筈。

 これはドレス・ボレロ等6色から セミオーダーを 9月末迄 受け付けているとの事です。

 もう一つ、絶対の「見もの」は素材の凄さ!!
スイスの此の地でなければ生み出せない独特のレースや、このブランド独自の極薄地・カシミヤダブルフェース(握ると掌で溶けてしまいそうなソフトさと 軽さ・温かさ)、更には着易さ動き易さに 改まったムードにさえ使えるカシミヤニットのジャケット等など。

 コートやジャケット等、裏側からポケットの扱いも ぜひ目を止めたい。そこには技と共に着る人への思いやりアイディアが溢れています。
 
 これこそが「彼のファッション哲学表現」では!!

 ファストファッションばかりが話題になるここ何年か、一方で「大人を満足させてくれる魅力」を眺める歓びは 大きなもの。

 「アクリス・和光店」で堪能して下さい。
アクリスは日本全国に30店以上ありますので 何処でも接すること可能です。
 

2011年8月10日水曜日

映画「シャンハイ」

 時は1941年、正に「太平洋戦争」開戦寸前の上海。

 当時「魔都」と呼ばれたこの街は 英米の支配する共同租界とフランス租界で成り立ち、日本もその中に割り込み 勢力拡大を図って居た。
 表の華やかさ、豪華さの裏で繰り広げられる 各国の諜報戦争、そこに組み込まれる中国人の祖国愛と様々なテロ的活動など。
 正に陰謀渦巻く上海で 危険を背景に芽生える愛とスリルの物語。

 米国の諜報員ポール(ジョン・キューザック)は 表向き新聞記者として此の地に着任。まず直面したのが親友諜報員の他殺体であった。
 華やいだ社交の場を知るにつれて浮かび上がる人々。そこには 日本に情報を売る 中国人大富豪ランティン(香港スター チョウ・ユンファ)・裏の顔は「闇社会の顔役」。 その妻・美女のアンナ(コン・リー)等ナド。次第にその実体が見え始めるポール。
 一方 日本軍大佐・田中(渡辺謙
)も紳士然とした裏は海空軍を掌握する情報部員。そして死んだ親友の恋人・阿片中毒の日本女性・菊池凛子。

あたかも絡み合った糸をほぐすような複雑さでストーリーは進行してゆく。

 手に汗握るスリルと テロ活動の連続を 美で彩るのが コン・リーの知的セクシーな魅力と 数々のファッション。中国服からイヴニングに昼の服など、どれもが、時代を超越した「美」を楽しませてくれる。

 まさに「これぞ 当時の上海!!」

 又、米日中と三国の名優たちが演じる物語の人物像。
そして多くの衣装と背景の街は 当時の上海を見事に描ききり、何とも魅力的。

 実を言うと上海は 私の生まれ故郷。まだ幼かったといえ この時代、此の地に住んでいた。
 もっとも、私の父は自然科学の研究者。フランス租界で 大きな敷地内に研究所と住宅があり、此の作品の上海暗部とは無関係に暮らしていたが、それでも一歩外に出れば、薄暗い路地に見る中国人達の貧しさ、そして他方には美しいフランス風街並みや 洒落た建物・庭がみられた上海が 私の郷愁を強く呼び起す。

 本来「ハラハラ・ドキドキは大の苦手」な私だが 物語の思いがけない展開、その面白さ、画面の美くしさや 多彩な俳優達の見事さ・・・等などに惹かれ 結末まで 目を離す事が出来なかった。
 見終わった後、幾度も想い返し、もう一度見たい思いに強く駆られる此の作品である。

映画「シャンハイ」
公開は8月20日

是非お勧めしたい映画「シャンハイ」!!!

2011年8月1日月曜日

「ルイ・ヴィトンの森」写真展

“LOUIS VUITTON FOREST” by MORE TREES

会場:ルイ・ヴィトン六本木ヒルズ店(けやき坂通り)
期間:2011年7月28日より 8月31日まで
11:00-21:00(月ー木)   
11:00-23:00(金・土)

 ルイ・ヴィトン社は パリに旅行用トランク店を開いた1854年以来、常にハードトランクに使用してきたのがポプラ等の木材。 
歴史的にも 非常に長い「木材との絆」から 特に「森」の存在と存続を重んじて来たのがルイ・ヴィトン社です。

今回の写真展は 坂本龍一氏が創設した一般財団法人「モア・トゥリーズ」が長野県小諸市に 創設した「ルイ・ヴィトンの森」の 3周年を迎える今年、其れを記念して行われるものです。

 坂本氏の意向を汲んだ 写真家・瀧本幹也氏の撮影に依るこの「ルイ・ヴィトンの森」の写真が けやき坂通りルイ・ヴィトン店内に 様々な形で展示されています。


 単なる森の写真・・そう考えて出かけた方は 恐らく打ちのめされる程の感動を味わう筈。



季節に依り、遠近に依り 光や視覚に依り 様々な表情を見せる木々と森の姿。
 私は 目を離す事が出来ず、しばらく立ちすくみ、眺め続けました。単なる写真展とは異なる 独自の展示法も 美しさ等 興味絶大です。


 又、此の森の 間伐材を使用して制作された建築家 坂茂氏デザインに依る アイディアと実用性豊かな机も展示され 東北の被災者用 仮設住宅に寄付されるとの事。 トップの写真に見られる机。脚の長さを調節できるようつくられています。
 坂氏が これまで何年にも亙り 世界各地での 災害救済ボランティアを実践されて来られた豊富なご経験から生みだされたのが此の家具です。
同時に彼の持つ仮設住宅の設計、新しい街作りへのアイディアも 深く頷けるものでした。

 此の写真展のプレオープンでは 大きなパネルに映し出される映像を眺めながら、坂本龍一氏自ら「ルイ・ヴィトンの森」をテーマに作曲されたオリジナル曲を演奏されると言う素晴らしさ!! 正に 現実とは信じられない 深い感動に包まれたひと時でした。

・限定版写真集「LOUIS VUITTON FOREST BOX」
 此の森の 間伐材の木箱に入った写真集に坂本龍一氏作曲の「ルイ・ヴィトンの森をテーマにしたオリジナルミュージック」のCD, 更にはルイ・ヴィトン家5代目・パトリック ルイ・ヴィトンの描いた水彩画、そして森を彷彿させる 木のチップやアロマ等、五感に訴える物満載のスぺシアル エディションも販売され、売り上げの全ては「モア・トゥリーズ」を通して 東日本大震災で被災された方々へ寄付されます。

 又、ルイ・ヴィトンの森の 間伐材使用の紙で制作された此の写真集「LOUIS  VUTTON FOREST」幻冬舎 も書店にて販売されます。

 ぜひとも 此の感動を実体験して頂きたい 素晴らしい企画です!!!