2010年5月20日木曜日

ジョルジォ アルマーニ

 ファッションの世界は気が早い。もう秋から冬へのコレクション発表終了・・・受注、生産の期間を考えるとどうしても作品発表の時期は早くなる。パリに先立って行われるのがミラノ コレクション。

 「帝王」と呼ばれるアルマーニは服・アクセサリーから居住空間の品々迄 10を超えるコレクションを手掛けている。
既に70代半ばという年齢とは無関係に エネルギッシュで 素晴らしい作品を常に見せてくれる。しかもクリエーターでありながら 経営者としても凄い実績と発展ぶり。レストランからホテル等 かなり以前から手掛けてきたのも彼。
私にとっては正に「知的なスーパー巨人」アルマーニ氏である。 
 今回は「ニューシック」「メトロポリタングラマー」「アップタウンガール」と名付けた3つのコレクションラインを発表。
全体として感じるのは「その原点を思わせながら、活動的。マスキュリンとフェミニンの微妙な組み合わせ」。
メンズ的なジャケットの一方で 流れるラインのドレスがみられ、ツイード素材と共に 透けるオーガンディーが使用されるなど。全てに「知とエネルギー溢れる活発な若さ、しなやかさ、エレガンス」を漂わせる。
カラーも彼らしいグレーやベージュ、黒など濃淡混ざり合い、そこにハッとする鮮やかな色が配されている。 素材面で私の目を引いたのは毛皮・・所がその大半が本当の毛皮ではなくシンセティック、人工である。チンチラありブロードテイルにフォックス風まで種類も多い上 何とも見事な出来。触っても本物そっくり、温かさも十二分。彼らしい「生物多様性保全」への意識と、イタリーの素材作りの成果だろうか。
 彼がホテルをあちこちに作っていることは広く知られているが、そこで使用されるアメニティーを見て感心した。シャンプー、リンスから果ては 綿棒に至るまで全てが「歴然アルマーニ テイスト」。彼の手に掛かると世界はすべてアルマーニ テイストになり シンプルでありながら「知的な美」と「心地よい安らぎ」を感じさせてくれるのかもしれない。
 
かつて幾度か彼のご自宅に伺い インタヴューした時の部屋、家具その他を改めて思い出す。
 加えて 私が忘れられないのは、来日コレクションを青山外苑絵画館前に巨大テントを張って見せた時の事。
故マイヤー日本社社長がショー直前に 大きな花束を私の席に持ってこられ「フィナーレ後にアルマーニ氏に渡して下さい」と置いて行かれた。気付けば 私の席は長い長いエプロンステージの先。
「アルマーニはショーの後 エプロンステージを歩く事をしない。 出た場所に立った後 すぐ引っ込むのが常。さあどうしよう!」
私の右側に座っていられたのは俳優の宍戸錠さん。「お願い、助けて頂けないかしら」と事情を話すと 「ヨッし!!」のお返事。
見事なコレクションのフィナーレが終わりかけた時、彼は花束と私の腕をグイッと掴むや、脱兎のごとく正面まで走った!
やっとたどり着くとアルマーニ氏は私の手を取りステージへと引き上げてくれ、無事に花を渡してハグ。ヤレヤレ・・・
ショー終了後 改めて宍戸さんを御紹介した事が思い出される。

 自宅のジムで毎日のトレーニングを欠かさないという彼。いつまでも「帝王の座」を保ち続ける事間違い無しと 今回も強く感じたコレクションであった。