2012年1月15日日曜日

「ニュージーランドへの旅」その2 「不動産を見る」

「不動産を見る」

ニュージーランドの北島・オークランドに住む娘一家を訪ねた今回。一つの目的(楽しみ?)は不動産を見て歩くことでした。

いつも不思議に感じるのは、この国に住む人々が、至極気楽に引っ越すこと。娘一家が 以前 住んでいたエリアは いわゆる高級住宅地。
それも、日本で言うなら 青山か麻布のすぐ近くに 湘南の自然を組み合わせたような場所。
このエリアに約10年程 住んでいた間に、私の知る限り 隣近の9割が 引っ越し 交替しました。
「一度 家を買ったなら一生住む」的な意識は殆どないのが この国の人々。家族構成や生活の変化と共に、7〜8年に一度は引っ越すのが当たり前。

 娘夫婦も 私に劣らず不動産を見るのは大好きとあって 馴染みの不動産屋さんに あちこち 案内してもらいました。

「見たい物件の条件」として私が出したのは
1 日本円で3千万位の小さいもの
2 7-8千万くらいのもの。
3 貸しやすい物件

仲良しの不動産屋さんは中年女性。 てきぱきと連絡をしたり。
回る順番を効率的に説明し 彼女の車でスタートしました。
先ず出かけたのは 娘一家が 前に住んでいたエリアの 小ぶりな家です。

「独身者用に 需要はとても多いところ」とのこと。
家の前にパーキング。サロンにベッドルームにバスルーム、キッチン。決して広くはないものの 東京なら十分なスペース。
表示法が「何平米」「何LDK 」と言わず「何ベッドルーム」と言いますので、正確な広さは覚えていませんが ここは「ワン ベッドルーム」。
 「なるほど、これで3千万レベルか、すぐ近くにスーパーも備えたショッピング・モールがあるし、おしゃれな海辺までは 歩いてすぐ。カジュアル気分で楽しめるレストランから 子供の遊び場や ウオーキングにピッタリな広い歩道も有るし・・」と納得。

不動産屋の彼女いわく・・「あなた達は本当にラッキーだったわ。あなた達が買った家、今では同じ価格で あの広さの庭を持つなんて 全く不可能よ」とのこと。
かつての家には表裏と脇にまで ゆったりした庭が有り、果物や花を楽しむスペースも 十分に有った事を考えます。

・7-8千万クラスで・・
このエリアを中心に 次々と回って感じたことは
庭がかなり狭くなったこと
 それに引き換え家の広さは 余り変わらず、ゆったり広く、2-3ベッドルームが当然。キッチンもきれいに使いやすい広さ、「トイレは1か所だけ」というのは皆無です。

天井は高く、部屋が広い為、家具の大きい事、大きい事。
中には、住人が居ない為、がらんとした所もありましたが、大半は良いイメージで しっかりと家具その他が整えられ 花さえ活けられています。
聞けば それ専門の家具レンタル業者が存在するとのこと、デザイン・センスも中々のものです。 
・7-8千万の所でさえ このエリアでは 決して広い庭は多くありません。
中には僅か外れた場所で 家の後ろにあるゴルフ場を借景として 広さを演出しているところさえありました。

あれこれかなりの数を見た結果の結論は「住の豊かさ」と同時にこのエリアでは この位の金額で「広い庭を持つことの大変さ」をつくづく実感した次第です。

このエリアだけが全てでない事は 当然です。
別のハイクラス エリアも様々あり、価格次第で 広い庭や プール付きも珍しいものではありません。
 現に 街に近い彼等のセカンドハウスは 2000平米の庭と プール、温室に 木陰を作る大木、車3台用のガレージも備えています。

半日以上かけ、沢山の家を眺めた興味深さは 十二分でした。
けれど 最後に娘夫婦の言った「今、家を買って 人に貸すのも、 銀行に預ける利息も あんまり変わりない」との言葉。 
この一言で 今回の大きなお楽しみは 終わりました。