2010年9月11日土曜日

家庭画報 10月号

 今、店頭にある「家庭画報 10月号」に 過日パリで取材した素材が使われている。 ぜひご覧頂きたい。 「パリ、永遠のエレガンスに魅せられて」.21ページにわたり此の秋冬コレクション等紹介と共に。(P148-168)
 まるで60年代かと思う フレアースカートに ほっそりウエストのルイ ヴィトンの写真に始まり、次の見開きページは
 「1970年代―日本に初めて“パリモード”を紹介したのは家庭画報と大内順子さんでした」のタイトル。40年余前の誌面がそのまま使われ、エルメス、シャネル、ジヴァンシーの本店の内外、取材する私の姿・・・

 エルメスでは本店上階のアトリエからミュージアム、そして社長のインタヴュー迄。
 シャネルではオートクチュールの仮縫いを体験し、ココのアパルトマンからアトリエ。
 ジヴァンシーでは「インタヴュー嫌い」のジヴァンシー氏が 思いがけない優しさで接して下さり感激(これ以後、何十年にも亙り 心を許し 多くの話をして下さった)・・
 このシリーズは「初めて」という為もあり、好評で その後も続き イタリーから北欧にまで足を延ばすものとなった。
 正に日本人が「世界に目を向け 他国の素晴らしいものに目覚めた初期」だった。多くの人々が「シャネルは 香水屋かと思ったら洋服も作っているのか」と反応したのが 懐かしく想い出される。

 この2ページに続くのがディオール。
太平洋戦争後、世界の女性ファッションを一転させ、「女らしい美を復活させた」M.ディオール。
 現在デザインを担当する人気者J ガリアーノと会ったり アーカイブの数々を拝見したり。服は勿論、初めて日本で行ったコレクションショー(1953年)の資料迄が きちんと保存されていた。

 P160では今や人気沸騰・ランヴァンをデザインするアルベール エルバズへのインタヴューと写真。彼もインタヴュー大嫌いで、一切断ると言うが「ジュンコなら」と直ぐにOKしたのが嬉しかった。
続いてランヴァンの様々なアーカイヴ。現在パリの多くのファッションメゾンの中で最も古い歴史を持つランヴァン。創始者・ジャンヌ ランヴァンは室内デザインに加え 劇場のデザインまで手掛けた。現存する劇場はランヴァン・ブルーの座席、壁面。そこに 娘の名にちなんだマーガレットの金色装飾面を配し、何とも美しい。これらの写真は必見もの!!

 此の特集、まだまだ続いているが最後に「美しい物に接する感動や歓びが どれほど人の心を潤して呉れる事か! 感謝で一杯!」
と私のコメント。

 これは正に真情。何十年を経ても この想いは更に強くなっている。

 現在 どのマスコミも世界中の様々な物を伝えるのは ごく普通の事。
何と恵まれた時代に居る我々。けれど 不況と政治不信に目を奪われ 与えられた「大きな幸せ」を実感できないのは 悲しい事。
 悪い面もあれば、素晴らしい面もあるのが現実。
 限られた人生の時間を 少しでも幸せを探し 感動の歓びを広げ、 愛と共に生きたいと 改めて思う。

ランヴァンのアルベールとの写真・撮影・武田正彦