2012年3月13日火曜日

映画「マリリン 7日間の恋」


本年、第84回米アカデミー賞で マーガレット サッチャーを演じたメリル・ストリープと賞を競ったのが この作品でマリリン・モンローを演じたミッシェル・ウイリアムズだったのは 皆さん良く ご存知の筈。
アカデミー賞は逃したものの、 世界各地で 沢山の賞を獲得しているのがこの作品「マリリン 7日間の恋」。

ハリウッドの「セックス シンボル」と言われ、没後50年となる今でも あのマリリン・モンローの「不思議な魅力の虜」で居続ける人は 少なくないもの。
女の私でさえ、オードリー ヘップバーンとは また別の存在として マリリンの可愛いセクシーさや マシュマロの様な女っぽさからは 目を離せないオーラと強い魅力を感じ、大好きな女優サンです。

これまで 全く知られなかった彼女のピュアーな恋の7日間の相手として選ばれた 23歳の英国青年が綴った日記からなる 真実のストーリーがこれ。

1956年、世界中の注目を集めて マリリンは新婚早々の
作家・アーサー ミラーと共にロンドン空港に到着。
空港で迎えたのは 新作の監督兼共演のサー・ローレンス・オリヴィエと 妻のヴィヴィアン・リー。
 マリリン自ら立ち上げた製作会社の 初作品「王子と踊り子」撮影の為の渡英でした。

群がるマスコミへの記者会見では 彼女のユーモアで大いに盛り上がったものの、いざ撮影に入ると その行動は別人の様に。
 撮影開始時間には来ない、台詞は覚えていない・・・
スタジオのスタッフ達は 待ちぼうけと 進まない撮影に イラつきを 大きく募らせて行くばかり。

 オリヴィエの知人の息子 と言う事で無理に第三助監督(実は ただの雑用係)に採用された良家出のコリン(23歳)は命じられるままにマリリンの様子を観に行く。

 コリンが観たのは 夫・アーサーから疎まれ、泣いている別人のようにしおれ 可哀想なマリリンの姿。

 オリヴィエからは「セクシーだけの馬鹿女」とみられ、「スタッフは全てが敵」との想いに安定剤と酒で 起き上がれないマリリンを見、若いコリンは 誠実な一人の人間として
優しく接し 慰める。
 
 撮影のオフの日。「急用」と言われ 迎えの車に乗ったコリン。 気付けば 後部座席の毛布の下には何とマリリン、「何処かに行こう」と。
 彼の思いつきでウインザー城から 彼の母校・イートンへ、近くの池で泳ぎ・・。 
自然に溶け込み すっかり心を許したマリリンの姿と その美しさやオーラの虜になったコリン。
はるか年上のマリリンに 「貴女の素晴らしさを スタジオの皆に見せつけて下さい」とピュアーな心で愛を表現する。
 
 やっと軌道に乗った撮影。それは大俳優オリヴィエでさえ
感動させる魅力あふれるマリリンの演技と姿だった。
 順調ばかりではないその後だったが やがては 全て無事終了。
コリンにとり、夢の7日間は終わり 輝く大スター マリリン モンローは ハリウッドへと帰国・・・

 コリン・クラーク(1932-2002)
ロンドン生まれ。イートン校からオックスフォード大学へ。
 その後、TV界に入り100を超えるドキュメンタリー映画製作・監督を手掛けたコリンが 書き続けて来た日記の「特別な7日間」を綴ったのがこの「マリリン・モンロー 7日間の恋」。
映画は原作に かなり忠実に描かれ、撮影場所も かつて マリリンとオリヴィエが撮影した同じスタジオ、しかも
マリリンが宿泊した 其の館を使用して行われたという。

 マリリンを演じるミシェル・ウイリアムズは 正にマリリンそのもの。
特に其の動作から 踊る姿は見事なまでにマリリン。
「彼女あって 初めて撮影開始に漕ぎ着けた」というサイモン・カーティス監督の言葉が頷けます。

 只の伝記でも無く、スキャンダル物でも まして ありふれたラブストーリーでも無いこの作品。
深く心にしみるピュアーな男女の 儚い真実が描かれた感動的な作品です。

「マリリン・7日間の恋」
公開 324日より角川シネマ有楽町他全国ロードショー
配給:角川映画
©2011 The Weinstein Company
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