2011年5月6日金曜日

ロイヤル ウエディング その2

 素晴らしかったキャサリン妃のドレス

 アレクサンダー マックイーンの クリエイティヴ デザイナー、サラ・バートンに キャサリン妃が依頼されたと言われる 今回のドレス。

 モダンでありながら 伝統的クラシックの味わいも。
ほっそりしたウエストから広がるスカートのトレーンは2,7メートルと 大げさでなく 美しいライン。
 上半身に使われた英国とフランスのレースがドレスとヴェールに華やかさを加え、何とも素晴らしい魅力を見せていました。

 私たちファッション・プロの目から見ても、キャサリン妃のセンスは文字通り スーパープロの素晴らしさ。
アパレル会社のアクセサリー部門で バイヤーとして働かれたキャリア以上の エレガンスと時代感覚を持って居られるようです。

 多くの人が指摘したように デザイン的に「グレース王妃のマリエ」との共通点も見られました。
レースの扱い、シルエット、ヴェール、更には大ぶりではないシンプルなブーケまで。

 其の素晴らしさは 迎えたウイリアム王子が想わず「とても美しい!!」と云われたのが頷けます。
 王子は 近衛歩兵連隊アイリッシュ・ガーズの赤い制服姿。
1メートル90を超える長身の彼と  1M70以上と モデルのように スラリとしたキャサリン妃。
正にお似合いの ビューティフル・カップルです。
 
 デザイナーのアレキサンダー・マックイーンと云えば、16歳からロンドンとイタリーで修行。その後 高名なセント・マーチン・アートスクールで学び 97年にはフランスのジヴァンシーのデザイナーとして抜擢され、独立後は世界注目の才能と云われたのに、 昨年2月 全く理由不明の自死。

 私は パリで、彼のジヴァンシー社「デヴュー コレクション」から観て来ましたが、忘れられないのはその時の事。
 最前列中央に頂いた私の席、お隣は二人、中年女性が並んで居ました。
ファッションとは 余りにも遠いイメージだったので 「アレックスのご家族ですか?」と尋ねたら正に正解。 母上とその隣がおばさんでした。

 アレックスの鋭い才能に サラ・バートンの女性らしさを加えた今回のドレスは本当にエレガントで綺麗でした。

 ドレスに合わせた 小ぶりなブーケ。使用されたのはスズラン、ヒヤシンス、マーデル、に緑のアイビー。同じスズランの花が ドレスの裾を持つ妹のピッパさんの髪飾りに、更には お父上と弟さんのジャケットの襟にも飾られていたのが 印象に残りました。

 決して高価さやブランドだけに拘ることなく 御自分の好みで 似合う服や小物を選ばれる感覚の確かさは キャサリン妃の賢さを現わしていると言えましょう。
 
 英国民始め 世界中を虜にした素晴らしいロイヤル ウエディングでした。