2011年1月19日水曜日

アートとファッション その1

 ファッションとアートの交わりの濃さは 今 始まったものではありません。
友人として、共同作業者 或いはサポーターとして ファッション・デザイナーが 様々なアーティスト達と 共に過ごし高め合って来た歴史は古くから多く見られますが、近年 益々濃い物となっています。

2011年1月に 此の東京で見られるイヴェントから 2つを御紹介しましょう。

・ シャネル主催の写真展 「バマコ美女」
  ルシール レイボーズ撮影
   1月14日―2月4日。銀座3丁目シャネルビル4階ネクサス・ホール

 銀座3丁目 シャネル店の上 4階にあるこのホールでは、音楽や写真など様々なアートの催しが ほぼ毎月行われ その大半は無料。 誰もがアートに触れ、楽しめるよう プログラムされています。
 今 行われているのが 此の写真展「バマコ美女」。
西アフリカ・マリ共和国の首都・バマコで撮った 「此の地最大の 社交の場である結婚式」に向け 美しく装う女達の写真。
 其の少女時代を アフリカで過ごしたフランス人写真家・ルシール レイボーズの撮影に依る作品達。
 見事なカタログに シャネル ジャパンの社長であり、小説家、写真家でもあるリシャール・コラス氏の記された「文章の一部」を御紹介しましょう。
 「・・・アフリカへの理解-その心を聴くこと-は、音楽なしにはできない。
彼女(ルシール)はやがて 地域のもっとも著名な音楽家と知り合い、彼らの作品に添えるポートレートを撮るようになった。その中の一人に 偉大なるサリフ・ケイタがいる。
 日本随一の作曲家 坂本龍一が、その長大なオペラ「LIFE」の1回公演を行ったとき、ケイタは出演のため日本に招かれた。そしてルシールに同行を求めたのである。・・・」 「東京のシャネル銀座ビル内にあるネクサス・ホールで 展示する為に、作品の制作を行うこととなったルシール レイボーズは、アフリカを渡り歩きながら出会った、幸せなアフリカの輝く顔を、日本の人々に見せようと考えた。
そこで選んだのが「Belles de Bamako(バマコの美女)」である。・・・
 実際、マリのバマコで、娘や姉や従姉妹、友人の結婚式を次の日曜日に控え、1週間かけて祝いの準備に励む女性達の姿ほど、ほほえましいものはないだろう。・・・」

 コラス氏の序文は 詩的に「胸躍る女達の身支度、おしゃれをプロの手に依って行う華やぎのムード」を描きだしていますが ここでは省略させて頂き、実際に御覧になる方達へ 扉を開く役目だけを果たしたいと思います。

 「酷寒」と言われるこの冬の寒さを 忘れさせてくれる、熱い写真展です。