2010年7月22日木曜日

シャネルの宝石・羽根

 「本物の宝石以上に美しい“コスチューム ジュエリー”」(所謂イミテーションのアクセサリー)。
生前 常にこう云い続けて居たココ シャネルがたった一度だけ本物の宝石をデザインしたのは1932年、彼女が49歳の事。
その売り上げの全てを 慈善団体に寄付した彼女。 しかしその一方で「私がダイヤモンドを選ぶ理由、それは密度の濃さ。最も小さなものでありながら、最も大きな価値を持っているから」と、云い続けて来たのがココ シャネルであった。
彼女の「宝石類への好み」を伺える言葉である。

この1932年の作品には現在、広く知られる「星」「太陽」「リボン」等のモチーフがあり、その後様々なデザインへと発展されて来た。
所が たった一つだけ、今まで復活を見て居なかったのが「羽根」のデザイン。それが今回のメインテーマになっている。
 ホテルに届いた小型封筒からは 白いオーストリッチの羽がホロリとこぼれ落ち 「シャネルの羽根・プリュム ドゥ シャネル」とテーマを刻まれた招待状。

 ブローチとしてもティアラとしても使えるしなやかな作り。加えて部分的に離して他の使い道も用意されているのは さすがシャネルらしい「おしゃれと合理性」の合体と云うべきか。 
正に「自由とクリエイティヴ、モダンな現代精神」そのもの。
 胸元に飾ると体に優しく沿い 更に美しい輝きを見せる。何と云う輝きと、しなやかな作り!! このしなやかな動きがダイヤの輝きを より大きなものにする。

 今回パリで観たのは数種類のデザイン。この9月に行われるパリ グランパレでの「アンティック ビエンナーレ」への出展が予定されているが 未だ全製品30点余の全てが完成している訳ではない。
 この段階で観たとはいえ、満足度十二分の歓びを呉れたハイジュエリー「シャネルの羽根」であった。