パリの伝統・格式を誇る「グラン サンク」(五大宝飾店)として名高い「ショーメ」が素晴らしいパーティーを行った。
「ドゥ―ズ ヴァンドーム」(ヴァンドーム広場12番地)と名付けられた今回のコレクション「日本発表を記念する」パーティー。
創業1780年、ナポレオンの戴冠式には 王冠製作の依頼を受け、ジョセフィーヌの為にも数々の宝飾品を製作しているショーメ。
彼女はショーメの「最初のミューズ」と言えよう。
其の全ては ヴァンドームにあるショーメのクリエイティヴスタディオで製作されている。
又、パリ・ショーメ店のある、ヴァンドーム広場12番地は あの館の2階の部屋で かのショパンが最後の「マズルカ」を作曲し、肺結核で生涯を閉じた歴史的な所としても 広く知られている。
それを記念したとあって 会場・六本木のグランドハイアット・ホテルのシェフも「ショパンにちなんだ料理を」と 工夫を凝らし素晴らしいメニュー。
ショパンの祖国・ポーランドの国旗を模したデザインのオードブルに始まり、パリでの日々を想わせるホヮグラ入りスープ、更にはジョルジュ・サンドと共に過ごした地を想わせる南仏の仔羊、そして 12ヴァンドームと名付けたデザートにも 楽譜面が!
シャンパンは2003年ドン ペリニョン。ワインも料理と見事に調和する白、赤。正に贅沢の限り!
それに続きモデルに依る 今回展示された「ハイジュエリー コレクション」のショ―。
正面ステージ上に据えられたグランドピアノが気になる中、「今夜のサプライズ」として紹介されたのが、あの辻井伸行さんだった。
参加資格ギリギリ最年少・17歳でショパン コンクールに出場し「批評家賞」受賞。更に09年、アメリカの第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで 日本人として初の優勝。
併せて現代音楽(課題曲)の最優秀演奏賞も獲得。
一躍、世界の注目を浴び、今や 世界各地で名だたる指揮者、オーケストラとの演奏活動、更に幼い頃からの 作曲活動などで 広く知られる辻井伸行さん。
彼の演奏するショパンは 清らかに澄み切った音色で 何とも素晴らしい。
母が非常に好んだもの。私が3-4歳、上海に住んでいた頃の事。外出から帰ると 母はいつも「あー、疲れた」とサンルームの
長椅子に横になる。私は小さな椅子に乗り蓄音器にレコードを載せ
聴かせるのだった。この時の曲は常に「ショパンのポロネーズ」。
曲名など分からない幼い私に「ダラダラ」と呼ぶのが常だった。
この曲の最初にピアノの音を重ねる様に響く部分が続く為 こう呼んだのだろう。
辻井伸行さんの演奏を聴きながら あの頃の母の姿が甦り、いつしか 涙が流れて居た。
辻井伸行さん、辻井いつ子さんと |
所で、此の5月の「オリコン・ランキングを見るとEXILE ATUSHI
&辻井伸行の「それでも、生きてゆく」が3位にランクされている。
お二人の震災被災者への想いが 強く感じられる素晴らしい曲。
きっと更に順位を上げてゆくに違いない。
あらゆるジャンルでの曲作りから 演奏活動まで、大活躍を生み出した、といえるのが 伸行さんの母上・辻井いつ子さん。
彼女と同じテーブルだったこの夜。明るく、活き活きとした辻井いつ子さんに、キラキラしたオーラを感じながら テーブルの7人全員が、 又会場の全員が ご一緒に楽しんだ「ショーメのパーティー」だった。