平田暁夫の帽子展「ヒラタノボウシ」展
2011・6・15-7・3迄、 南青山スパイラルにて開催中
世界でも数少ない帽子専門のデザイナー・平田暁夫氏。
パリの高名な帽子デザイナー ジャン・バルテの許で 3年間の修業をし、帰国後は皇室の方々を始め、多くのデザイナー達のコレクションに欠かせない存在として 長い年月に亙り 活躍されて来た平田暁夫氏です。
彼の「仕事生活70周年」を記念しての帽子展が 何とも魅力溢れる形で行われています。
会場の 南青山・スパイラルは 表参道駅から渋谷方向へ直ぐ傍。無料公開です。
全ての作品は顧客の注文品では無く、彼が自由な発想で 気持ちの赴くままに創作したと言われるものばかり120点余り。
これらの作品を一層引き立て、無限の広がりと 安らぎを感じさせるのが 会場構成を行う建築家・佐藤オオキ氏。
らせん状通路下に広がる 中吊りされた 莫大な数の 白いつば広帽子。その中にアクセントを創る 平田氏の作品の幾つか。
下から見上げる空間と スパイラルな通路を登りながら見る 景色の変化は不思議な違いで、正に大空に浮かぶ雲を 地上から、或は高い山の上から眺めるみたいに 広がりや 静かな気持良さを与えてくれます。
一方、2階への階段を活用した所では 変化に富んだ 沢山の帽子の展示。
全てが近くに置かれ クラシックから前衛、実用から装飾性の高いものまで 目を楽しませるだけでなく、思わず被ってみたい衝動を抑えきれない気持にさせるものばかり。
「今、トレンドは帽子」と云われ、昔の伝統など無関係に楽しむ若者が増えているこの頃。
全ての人が 自分を主役にしながら楽しめるのが この展覧会です。
ちなみに平田氏の長女・欧子さんも現在 立派に活躍する帽子デザイナーです。
所で 平田家と私の家族との長いお付き合いは ある意味で私の宝です。
平田氏がパリに出かける以前から始まったこのお付き合いは、彼のパリ時代には更に深まり、欧子さんの誕生、我が家の娘の誕生で更に更に 深まりました。
ほぼ連日の様に子供達二人は 一緒に遊んでいました。
平田家と我が家の半々で育ったとさえ言える程に。
夏は毎日・二人を連れてプールに出かけ、秋には平田家にお泊りする等ナド。
そんな二人が 今や立派に成長。
この展覧会を見、改めて歓びと感動に胸ふるわせたのも当然の事。
平田夫人・恭子さんと 長い年月を想い、今は亡き我が主人の想いも込めて 「ヒラタノボウシ展」を眺めた私でした。
そんな「私的な感傷」を離れても、ぜひお勧めしたいこの展覧会。
一人でも多くの方々に御覧頂きたいものです。