2013年3月16日土曜日

ニュージーランドでの教育



日本とは 地球の反対側・南半球のあるニュージーランド。
首都はウエリントンですが、最も大きな街が 娘達の住むオークランドです。

 此の1月末から中学に入った長男のあっ君。彼の学校生活を見たくて 出掛けて来ました。

 何しろこの国の教育制度は 日本とは 全く違います。
現在11歳の彼、日本なら4月から6年生ですが 此処では既に中学入学。
たとえば 小学校も日本とは大違い。
入学式が有り、一斉に1年生になるのではなく、此処では5才の誕生日が入学の時。5歳児クラスは、毎週のように、新入生が加わります。
小学校
幼い子供に取り 何か月かの差はかなり大きなもの。
当然すぐに理解できる子と 中々分からない子が出るわけです。
ここでは、誕生日の近い子供5~6人づつが 教室内でグループ化され、勉強しています。理解力のある子は 早く生まれた子のグループに移り、更に理解度が高いと又別のグループに移動します。
 先生はアシスタントやボランティアの助けで ごく自然に全ての子を指導して行くのだそうです。
この方法では「落ちこぼれ」も「理解した事を繰り返し教えられ、
退屈して登校拒否」という子も出ない訳です。

 入学はバラバラでも 卒業は同時。でも両親に祖父母まで参加したがる日本の様なセレモニーのない学校が多いことには驚きます。孫の学校で有るのは“プライズ ギヴィング デイ”と呼ばれる日のみ。
それも両親が必ず参加、という訳でもありません。
 何か受賞する子供の両親には、「出席することをおすすめします」というレターが届くので、娘もとりあえず出掛けたそうです。
 それは各科目その他、素晴らしい成績の子供や、良い行いをした子供を 表彰する日で、息子のあっ君は「算数トップ」と更には「全卒業生の首席」と2度も登壇し 大小2個のトロフィ―をもらって大喜び!!

加えて学校には この“DUX”とよばれる首席の 「年度・名前」を刻んだボ-ドが飾られています。学校の歴史と共に長く飾られるこのボード。何とも嬉しく、名誉な事ですが、だからと言って勉強で競わせようとする親もいない模様です。
又、こうした「賞」も公立でも其々の学校に依り 違うのがこの国のやり方。


 さて 中学は小学校とは違い、一斉入学です。無料の公立と 有料の私立があり、様々な選択肢が存在します。

 あちこち調べた結果、あっ君と親が選んだのは私立の中高一貫校でした。
 
私の滞在中に、学校内のすべてを案内してくれる“Open Day”が催されたので私も出掛けたのは当然です。

何より 先ず驚いた事は、キャンパスの広さ!!
一体どこまでが学校の敷地なのか・・・果てしない広さと景色の良さ!!
あちこちに 実に様々な「スポーツ施設」があります。
更に驚いたのは 次々と続く「教室の多さ」。それも「化学実験」から「デザイン」「アトリエ」に「料理実習室」まで・・・
一人では歩けそうもない程の 数の多さと広さ、迷子になりそうです。

 ブルーのジャケットに白のYシャツとタイ。ユニフォームを着た男女二人の生徒が 幾人かずつをグループにして 案内してくれました。
生徒達を見るとユニフォームは同じでも国籍は実に様々という感じです。
眺めの良いキャンパス
他国からの留学生も多い上、NZ内・他地方からの生徒も多いらしく、寮も完備しています。
 あっ君は月―金を寮で過ごし 土日は家に帰る事を選びました。
寮の部屋も見ましたが さほど広くない部屋に8人が其々のスペースを持って居ます。
しかも1年生も 高学年も同室。微笑ましかったのは大きなお兄さんがチビを優しく相手している姿。
そんなお兄さん達に対し、チビ達は まるで同学年かの様に 対等に接しています。

 校長先生の話によると スコットランドに起源をもつこの学校は
キリスト教を基礎に、英、算数、科学 社会科 健康
そして ヨーロッパ語(仏、スペイン)とアジア語(中、日本語)の中から 其々一カ国語を選んで学習。
更にダンス、ドラマ、音楽、ヴィジュアルアート。
そしてTechnology,  Physical Education,  Christian Education と言った科目を学ぶ との事です。

 丁度、入学後の何週間かを過ごしたあっ君に聞くと 既に仲良しも出来、「とても楽しいョ、食事も美味しい」と。
 更に可笑しかったのは 1歳下の弟・マーちゃんが 沢山の友達を作り 校内を我が物顔に 動いて居た事でした。

来年は 彼もこの学校に入り 楽しむことでしょう。
彼にとっては勉強と言うより 仲良しの友達や 大きなお兄さん達と遊ぶのが 待ち遠しいようです。

 日本では中学・高校と受験で 親子共に 大変な想いをするのが
常識。それに比べて何という違い!!

どちらが良いのか私には 今の時点で判断することは出来ませんが
やはり幸せを実感する時間の長い事が良いのでは と思われるのでした。