2012年11月25日日曜日

必見!! ブルガリ展


「イタリア至高の輝き展」

ブルガリ銀座タワーの5周年を記念し、様々な催しが行われています。(11月10-12月30・入場無料・会期中無休 11:00-20:00) 銀座4丁目から行くと 松屋の先にあるブルガリの店。

「エリザベス・テーラー コレクション」
4階・サローネ コンドッティ。ローマ本店の通り名を付けたこの広間に輝くのは「世界一の美女」として名高い女優、エリザベス・テーラーが 生前に収集したブルガリ製のゴージャスな宝石の数々。
中でも一際 目を引くのは 巨大なエメラルドをダイヤモンドが囲むネックレス。16個のコロンビア産エメラルドの先に下がるのは ブローチにもなる 同じデザインの巨大エメラルド。
1958年 俳優リチャード・バートンがリズ(E.テーラー)に婚約記念に贈ったエメラルド(23,44カラット)のブローチ。
 其れをヘッドとして付けるネックレスを 1964年 バートンは結婚記念として彼女に贈りました。
 16個のエメラルドだけでも60,5CTと聞けば 驚く人も多いでしょう。
 リズにとっては5番目の夫となるバートン。
「私はリズにビールを教え、彼女は私にブルガリを教えて呉れた」「エリザベスが唯一 知っているイタリア語は“Bvlgari”」等 彼の残した幾つかの謎めいた 皮肉な言葉は印象的です。 

 ともかく宝石大好きだった彼女。子役デビューした彼女は「生まれて以来 有名でない時を経験したことがない・・」と言ったそうですが 全てが叶う中でも「宝飾品の美」は彼女の7回に及ぶ結婚以上に 格別の幸せを呉れるものだったのでしょう。

さて、8階会場では ブルガリ創業以来の「時代と製品の変遷」を示す逸品が並んでいます。
 この回顧展は 創業125年を記念し 2009年 ローマ本店で行われたもの。それだけに「時代の流れ・変遷」も感じられ、一層の興味を呼び起こします。

・創業期 1870-1910 Silver  Ornaments
8階会場の最初に飾られているのは 創始者ソティリオ・ブルガリの父親が製作した銀のバックル。
彼はギリシャ北西部の熟練銀細工師でした。其の息子・ソティリオは1884年、ローマに移転し 店を始めた。この精巧な銀のバックルは ブルガリ家の血筋と共に その後の  ローマでの大成功を 予感させるもの。

・1910-1930 Platinum and Diamonds
 幾何学的なアール・デコ調をダイヤと 様々な色石で製作し 宝飾品の贅沢な美が見られる様になった時代。

・1950-1960 Yellow  Gold
 第二次大戦の影響からダイヤモンドやプラティナに替わり、僅かな貴石をあしらったゴールドの自然主義的柔かさへとデザインは移行。

・1950-1960 Colour  Revolution
 50年代後半から独自のスタイルを描き出したブルガリ。
60年代になると「色の美学」を確立。
様々なカラーのカボション カットの石を配したデザインが生まれています。
・1950年以降  ハイ・ジュエラーとしての地位確立。
当時の映画スター、ソフィア・ローレンやイングリッド・バーグマン等など、多くのスターやセレヴがブルガリのジュエリーを飾り、公式の場に現れ、人気爆発!

・この時代の終わりから70年代に入るとヴェトナム戦争や5月革命等 若者の間に広がったのがヒッピームード。
 私の心を最も捉えた作品の一つは「平和、心の安らぎ」を求める時代性をこの上なく見事に表した1971年製「仏陀のネックレス」。ペンダントの紐部分でさえ 精緻な技と美しい色彩。
 一見 小型で地味なものですが、私にとっては「この上なく惹かれる逸品」です。

宝飾品が持つ魅力。それは石の美しさ・大きさ・細工の精巧さ そして贅沢さだけでなく、太古の人々が抱いた、創造主への敬意、感謝と共に お守りとして「心の安らぎ」を感じさせる事でもありましょう。

・古代ローマ時代のコイン使用
ブルガリならではのジュエリーとして貴重なのが ローマ時代から それ以前のギリシャ時代迄ものコインを使用したネックレスやブレスレット等。
 ゴールドやダイヤで縁取りしている価値以上に コインの貴重さ
に感動。当時の日本は「縄文―弥生時代」だった事を想えば 改めて 目を凝らし コインを眺めたくなります。

 中には キリスト教徒を徹底的に弾圧し 暴君として知られる あのネロ皇帝の・ゴールドコインを中央に据え 両サイドに シルヴァーとブロンズコインを配した ネックレスは注目すべきもの。

「蛇」セルペンティのモチーフ
ブルガリにとり 絶対見逃せないのがこれ。 古来 蛇は「魔除け」と「装飾」の二つの意味を持って来ました。
うろこの一個づつが動く細工から、やがてぐるぐると巻きつく形に至るまで。
ブルガリの象徴として、今や銀座ブルガリビルの外側に大きな蛇が夜空に輝いています。

手首に巻きつくセルペンティの頭部分に時計が納められ、次には
金属のチューブ「トゥボガス」ガス管と名付けられたブレスレット・ウオッチが生まれ 1900年代半ばから 世界中で大人気となりました。

・ 此のフロアーで出会える 「不思議」として 「本のページを繰ると印刷された宝飾品がそのまま浮かび上がって来る装置」があります。何とも不思議な「現代ならでは」のこうした装置が3種類置かれています。
 これを手掛けられたのは 若きInteractive Artist/Designer
の松尾高弘氏。

西暦前から未来的な装置まで、正に驚き、感動、幸せに満ちたこの「イタリア至高の輝き展」。
クリスマス・新年を控えた今、混み過ぎないうちに是非ご覧になるよう、お勧めしたいものです。