リボンを 単なる「髪飾り」としか 考えない人も いられましょう。
それは とんでもない話。
用途は 非常に広く、洋服から靴、バッグその他 様々に使用されています。
時には 世界が注目するトップデザイナーにとり、服の最重要デザイン・モチーフにさえ 使われているのがリボンなのです。
昔から何百年にも亙り 高級リボンはフランスかイタリー製 と決まっていたものです。
所が現在は 日本のリボンメーカー「木馬」が 「世界一」の座を維持しています。
東京・蔵前にある「木馬」の店。リボン専門店と コード、ブレードなどを揃える店の二つが直ぐ傍に並んでいます。
手芸ブームと言われる現在、あらゆる種類の色・素材変化に対応した 信じがたいほど 多種多様な品を揃えた店内には 素人女性客の姿も見かけますが、 外国からわざわざこの店での買い付けの為に 来日する「プロの客」も多い事
を知る人は 少ないでしょう。
誰もが良く知るシャネルやルイ・ヴィトン・・・、フランスやアメリカのトップ ブランドの人々が 其の製品製作の為、わざわざ来日するのは この店にとって 決して珍しい事ではないとか。
「木馬」はパリにも ニューヨークにも お店を持っています。けれど在庫の豊富さを考える時、担当者たちは1-2泊予定で 来日し、買い付けを するのでしょう。
想い出すのは もう20年余りも 昔の事です。
娘の彩は 大学卒業後、1年間 文化服装学院の特別科に通い、誘われるままに 雑誌その他にファッションについて書く「コラムニスト」になりました。
けれど「もっとファッションを知り 服創りの内部も知りたい」と パリでスタージュ(無料で働かせてもらいながら、学ぶシステム)を希望し、 親しくしていた「バレンシアガ社」に通っていた頃の事。
「今日は お使いで 「木馬」にリボンを買いに行ってきたの」と 幾度か話していました。
当時でさえ 「木馬」の製品は 本場パリの品を抑えて 多くのデザイナー達が選ぶ 重要なリボンになっていた事は コレクションの裏側を ある程度知っているつもりの私にとってさえ 嬉しい驚きでした。
あの当時から更に進化を続けた「木馬」。
弟さん・渡辺啓史氏を社長に、 御自身はマネ―ジング&アーティスティック ディレクターとして、様々な分野を担当されるのは 先代社長の お志を受け継がれるお嬢さん・渡辺敬子さん。
物静かな女らしさの中に 熱い情熱を感じさせる女性です。
ファッション界で 素晴らしい活躍をなさるデザイナーは大きな注目を 集める存在ですが、 一方、無くてはならない 非常に大切なもの。それが素材です。
この分野での 日本の存在とその力の絶大さを 知る人は意外と少ないのが事実かもしれません。
デニムを始め化学繊維等、 実に多様な「味わい」や「機能」を生み出す 日本の繊維、布地の凄さ。
加えて 最高の美とエレガンスを見せるリボン等、 日本製品への評価は 世界のファッション界でも 驚くほどに大きなものです。
日本女性らしく、優しくもの静か。それでいて しっかりと行動される 情熱的な 「木馬」の渡辺敬子さん。
決して外面の強さだけが 本当のパワー、素晴らしさではない事を 改めて再確認し 大きな「歓び」を感じる私です。
ちなみに 下記が「木馬」東京店のアドレスです。
111-8518 東京都台東区蔵前4-16-8
TEL 03-3864-1408
FAX 03-3864-4201