暑い暑い今年のパリ。昼間は文字通りの「カンカン照り」。
そんな中 忙しく、でも最高に楽しく幸せ気分一杯で行ってきた今回のパリ取材。 主目的は雑誌「家庭画報」10月号(9月1日売り)の為でした。
内容については「家庭画報」でご覧いただくとして、私にとり、何とも感銘深い想いを噛みしめた今回だったのです。
改めて思い出すのは、今から37年も前の事。
それまで何年間か せっせとお金を貯め 毎年ヨーロッパやニューヨークなど、「世界各地を旅する事」に熱中していた私。その都度 可能な限りパリに足を止め「コレクションを見る」のが大きな歓びでした。
「こんなに素晴らしい美しさや感動! より多くの日本の方々にその源を 直に伝えたい!」と考え始めたのはジャーナリストの私にとり 極く当然な事。
所が60年代終わりから70年代初めの当時は マスコミの誰もが「そんな事 受けてくれる筈が無い。不可能に決まっている!」と思い込んでいたのです。
どの雑誌の 誰に話しても、全く関心を示してくれません。
そんな矢先、たまたま「編集長の交代」が行われた「家庭画報」で 「出来なくても気にせず、とりあえずやってみて」と取り上げて下さったのが新編集長でした。
只、「実現不可能かも・・」と全員が考えて居ただけに、「取材への同行者無し、カメラは現地の人」が条件。
パリに住む友人が「主人が長期出張で不在だから 我が家に泊まったら?」と云ってくれたのを幸いに 彼女宅に泊まり、ついでに「ドライヴァー役」まで引き受けてもらって行ったのが「初めてのパリ本店取材」だったのです。
現在では 全く信じ難い事ですが、これが日本の全マスコミ・ファッション誌で、「本邦初」のパリ現地取材であったとは!!!
「シャネル」「エルメス・「セリーヌ」。どのブランドも大歓迎し 大きな好意を以て応じ 協力してくれたのは云うまでもありません。
以来この「一流店(ブランドと云う呼び方さえ無かった当時)現地取材」企画はパリだけでなくイタリーから北欧にまで 何回か続きました。
其の数年後、TVでも同じことを自費で行った事は又の機会に書きたいと思いますが、そんな状態で始まり 現在へと続いてき来た「私の仕事とその歓び」。
今回は特に 感慨深く、大いに楽しんで来ました。
詳細については ぜひとも「家庭画報10月号」でご覧いただきたいと願って居ります。 ちなみに 現在店頭にある「家庭画報8月号」の「名品の条件」という特集でも 私の考え方を御披露させて頂いております(P117)。 ご覧頂けると幸せです。
次は今回のパリで拾った数々の感動、歓びについて綴ってゆきたいと考えています。