カール ラガーフェルド デザイン
「スワロフスキー・ジュエリー」
今、世界的な大流行。多くの人々を夢中にさせて居る「キラキラ ピカピカのデコブーム」。
アクセサリーは当然、バッグに服に 携帯からペンや爪に至るまで 何処を見てもキラキラピカピカ。 パリではエッフェル塔でさえ時間に依り キラキラ照明に変わったのが既に10年近く前の事でした。
こんなブームを巻き起こした「大きな源」と云えば 「時代性」と それを支え続けて来たオーストリアに本社を置く「スワロフスキー」のカットクリスタルだと言って間違いないでしょう。
既にかなり古くから クリスタルの研磨法やカラー、形その他に変化を加え 輝きや 種類を拡大させ、用途も置物やアクセサリー類、シャンデリアなどインテリアから 光まばゆいタイルに至るまで創りだしてきたのがスワロフスキーです。
ファッションに関しても何十年にも亙り コレクション期間中に世界中からパリに集まるジャーナリストやバイヤー達に 新製品紹介展示を行い続け、同時に何人ものデザイナー達に素材を提供し、自由な作品作りを行って来ました。
その結果が 現在見られる「デコブーム」を呼んだといえましょう。
2010年には あのカール ラガーフェルドさえも作品制作を行い、その製品は日本でも販売される予定です。
カール ラガーフェルドと云えば、シャネル、フェンディ、自身の名前を冠したブランド等で常に人気と大成功を収めるだけでなく、 写真家としても活躍する正に天才。
今回のジュエリー、彼のイニシアルを象ったブローチや 永遠をイメージする円を使ったブレスレットなどがとてもチャーミング。
ラガーフェルド氏と云えば 私にとって、沢山の思い出が数えきれない程あります。
その中でも 忘れられないのは モナコに招待された時、飛行機で隣の席だった時の事。
彼は様々な雑誌を 何十冊と買って乗り込んできました。
次々と頁をめくって見終わると、足元に落とす。その合間に「ここ、面白いよ」と私に渡してくれるのです。
モナコに着いた時にはほぼ全て見終わり、私も面白い部分だけを楽しませてもらった空の旅でした。
「此の忙しい人が、常に時代を先に感じ取ってデザインする秘訣の一つの部分を覗いた」ような気がしたものでした。
所でドイツ人の彼は 極く若いころから多くの人々に「ディマンディングだ」と云われて来たもの。
その彼が21世紀に入る直前の事、コレクション後、マイクを向ける私に答えた後、私の手を両手で包み込み「いつも有難う!」と。
こんな態度を見せたのは全く初めての事でした。
彼の中に「21世紀こそ 人の和と愛が大切」との想いが広がっていた為では、と感じたものでした。
あの頃、私も含めて多くの人々は「21世紀こそ 平和と愛を共有する時代」と願っていたものです。でも実際には・・・
現実の厳しさはさておき、こうして彼のスワロフスキー作品を眺める時、様々な事を改めて考えずにはいられない私です。
写真 ・カールのイニシアル Kをデザインしたブローチ
・大きなスワロフスキーが輝くブレスレット